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広告代理店「やめとけ」は本当か。続ける判断基準・移る判断基準

「広告代理店 やめとけ」と検索した——ということは、
今まさに迷っているか、これから入ろうとして不安になっているか、そのどちらかだと思います。

結論から言うと、「やめとけ」は半分正しくて、半分は人によります。
この記事では、なぜそう言われるのかを構造として説明したうえで、
「続けたほうがいい人」と「移ったほうがいい人」を分ける判断基準を整理します。
中小代理店でのテレアポ営業から、大手代理店での実務まで経験してきた立場から書いています。

目次

なぜ「広告代理店 やめとけ」と言われるのか

締め切りが「今日」と「明日」しかない

代理店の仕事には、独特の時間感覚があります。
代理店時間での「今日中」は「翌日の始業まで」と読み替えることが業界内の常識ですし
提案資料や報告資料の締め切りは、たいてい夜に話が来て「リミットは明日まで」であったりします。

前日の夜、下手をすれば当日の深夜まで手を動かすことになる。これが月に何度もある。
慣れてくると耐性はつきますが、耐性がつくこと自体が異常と言えば異常です。

顧客の期待値を超えられなかったときの重さ

数字が未達だったときのつらさは、実はそこまでではありません。
本当にこたえるのは、自分の専門性やプロフェッショナリズムを発揮しきれずに、
顧客をがっかりさせてしまったと感じる瞬間です。
数字は挽回できますが、「この人に任せて大丈夫か」という信頼の揺らぎは、簡単には取り戻せません。

オーダーがフワフワしているときの消耗

顧客からの要望が明確ならまだいい。
「なんとなくこういう感じにしたい」というオーダーを、こちらで輪郭を作って形にしていく仕事は、精神的な体力を削ります。
社内に知見がある領域ならまだしも、誰も答えを持っていないときは、
媒体社や関係各社にまで声をかけて情報を集めることになります。
答えのない問いに、自分で答えを作りにいく仕事です。

割に合わない仕事から抜けられない構造

作業量に対して収益が明らかに見合わない案件は、
代理店であれば一度は経験します。
それでも「この顧客を落とすわけにはいかない」という理由で、疲弊しながら続けてしまう。
個人の意思決定ではなく、構造として抜けにくい仕組みになっていることが多いです。

「昇進の天井」と「AIへの不安」

もう一つ、数字には出にくいキツさがあります。
ある程度のところまで活躍できても、上のポストが詰まっていて昇進が見えないという壁。
そして、AIの台頭で、自分が積み上げてきたスキルの価値がこの先どうなるのか分からないという不安です。
目の前の仕事がきついこと以上に、この「この先どうなるか分からない」という感覚のほうが、実は辞める理由として大きいのかもしれません。

それでも「全員がやめるべき」ではない理由

ここまで読むと、代理店の仕事は苦行にしか見えないかもしれません。
ですが、同じ環境にいても、消耗していく人と、むしろ力を発揮していく人がいます。

私自身が続けてきた理由を振り返ると、
専門性を身につけて「求められる人材」になりたい
という気持ちがありました。
テレアポだけをやっていた駆け出しの頃は「これを40年やるのか」と思ったこともあります。
それでも、人より得意にできる領域を持っていたいと考えていました。

一番手応えを感じるのは、自分が立てた仮説を実際に検証して、
顧客の課題を解決できたときです。自分の能力が120%発揮されている感覚——これに勝る報酬はありません。

きつさの正体は、多くの場合「代理店という業態」そのものではなく、
「今どのフェーズにいるか」です。この区別ができると、判断がしやすくなります。

続ける方が良いケース

以下に当てはまる項目が多いほど、今の環境で続ける選択が合っていると考えられます。

  • 顧客の伴走者としての自覚がある。単なる作業者ではなく、プロジェクトの成功を自分ごととして追える
  • 目の前のタスクだけでなく、全体を俯瞰して動けている
  • 受け身ではなく、自分から動いて答えを作りにいける
  • 専門性が育ってきている実感がある
  • 能力を発揮しきっている快感が、まだきつさを上回っている

移る・変える方が良いケース

逆に、以下に当てはまる項目が多い場合は、環境を変える選択を検討する価値があります。

  • 「仕事をやらされている」というスタンスになっている
  • 目の前のタスクを「こなす」ことが目的になっている
  • 答えのない問いに、答えが降ってくるのを待つようになっている
  • 昇進の天井が見えてしまい、モチベーションが上がらない
  • AIの台頭で、自分のスキルの価値がこの先どうなるか不安なまま動けずにいる
  • 作業量に対して割に合わない仕事に、慢性的に疲弊している

チェックリストは、今の自分の状態を言語化するためのものです。どちらが多いか、まず数えてみてください。

「他の会社や業界に移る」にも3つの方向がある

移ったほうがいいという結論に至ったとして、「移る」には実は3つの方向があります。
同じ「代理店を辞める」でも、行き先によって必要な準備も、向いている人も違います。

1つ目は、業界内で職種を変える方向です。 
営業から運用へ、運用から営業へ。
あるいは、成果を追う「獲得型」の広告から、認知を作る「ブランディング型」の広告へ。
業界に残りながら、軸足だけを移す選択です。

2つ目は、業界の外に出る方向です。
事業会社のマーケティング部門など、代理店とは違う立場で広告に関わる道です。
別の切り口で見ると媒体社に移るのも代理店キャリアの転職ルートですよね。

3つ目は、会社そのものを出て、個人で働く方向です。
フリーランスとして、あるいは副業として、代理店で培ったスキルを別の形で使う選択です。
どの方向が合っているかは、この記事だけでは決められません。
それぞれの方向について、もう少し具体的に整理した記事を用意しています。
自分の状況に近いものから読んでみてください。

まとめ:判断に迷ったら、まず言語化する

「広告代理店 やめとけ」という検索結果にたどり着く人の多くは、
すでに何かしらの違和感を抱えています。
その違和感が「フェーズによるもの」なのか、「構造的に合っていないもの」なのかを見分けることが、
最初の一歩です。

この記事のチェックリストが、その言語化の手助けになれば十分です。答えを急ぐ必要はありません。

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この記事を書いた人

時は2019年。令和元年を迎えるあの日社会人として産声を上げたものの、
就活をちゃんとやらなかったツケを1社目で払うことに(テレアポによる新規開拓地獄)
専門性を磨こうと、一念発起し2社目に運よくデジタル広告代理店の大手にでき、活躍もできた自認はある(社内表彰も貰えたり、手応えもあった)

専門性を磨きながらキャリアを重ね、広告代理店の仕事の面白さを実感している30歳が組織づくりや広告代理店での働き方、ものの考え方などをブログ形式で発信します。

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